もし自分が生きている世界がこの世でしかないとしたら、何をしてもよい、どんなに悪いことをしても、たとえば人を殺しても、死ねばすべてはなかったことになってしまう。この世は夢なのだろうか。そうだとしたら良心なんかなくてもよいことになる。『人は死なない』著者 矢作直樹より
ノーベル平和賞受賞者、南アフリカ共和国のデズモンド・ツツ大主教は、次のように述べました。つまり、神様は人間のことをよくご存じだから、嫌いな奴まで好きになれと無理なことはおっしゃらない。嫌いなものは嫌いであり、それは理屈を超えている。しかし、キリスト教での愛とは好き嫌いの問題ではなく、人間の意識面の愛のことである。神様は『人を愛しなさい』とおっしゃるけれど、嫌いな人まで無理して好きになりなさいなどと無茶なことはおっしゃらない、と。
ノーベル平和賞受賞者、ダライ・ラマ法王は『全ての人は、仏の子どもである。彼は、あの時代に生まれてその時期にテロリストになった。仮にアメリカに生まれていたら、テロリスト撲滅のために働いていたかもしれない。色々なご縁によって色々な思われ方をしているわけで、それでも全ての人は、仏の子である。私は、彼らも仏の子どもだと思っている。人は仏に近づけるのだ。全ての人には、慈悲や愛の心がある』
『神(サムシング・グレート)と見えない世界』 著者 村上和雄より
世界では、テロリストによる殺し、また罪のある人へ死刑という殺しが起こっている。ドキュメンタリー映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』はとても興味深かった。今や、EU加盟28カ国はすべて死刑を廃止している上、死刑廃止はEUの加盟条件となっている。「主要7カ国(G7)で死刑制度があるのは日本と米国の2カ国だけだ」。死刑制度のないノルウェーでテロリストに息子の命を奪われた父親は『復讐は望まない。例え相手が最低のクズでも、私に殺す権利はない』と言った。ノルウェーで最長の実刑判決は21年。殺人事件発生率は世界一の低さを誇る。